高速バス事故のツアー主催会社が自己破産申請へ
帝国データバンク 7月2日(月)18時28分配信
(株)ハーヴェストホールディングス(TDB企業コード:581914432、資本金5000万円、大阪府豊中市庄内東町3-9-14、代表大屋政士氏、従業員50名)は、7月2日に事業を停止し、事後処理を松田敏明弁護士(大阪府大阪市北区西天満3-1-6、電話06-6361-1722)に一任、自己破産申請の準備に入った。
当社は、1995年(平成7年)12月に設立。当初は、社内旅行や個人向けの旅行斡旋のほか、旅行会社への添乗員派遣業務も行っていた。2005年4月に(株)ハーヴェストツアーに商号変更、2006年8月にはバスを所有し自社運行を開始。2007年8月に現商号となり、バス保有台数を増やし、「ハーヴェストライナー」の名称で運行する夜行バスを中心に手がけていた。また、旅行代理店などへの貸切バス事業でも積極的な受注を行ったことや、ツアーバスの増便により、2011年1月期には年収入高約30億6400万円を計上していた。
しかし、自社運行を開始した2007年1月期が赤字決算となって以降、同業者間の競争激化やデフレの影響により高速バスの運賃や貸切バスの受注価格は下落、辛うじて採算を維持するのが精一杯の状況が続いていた。2012年1月期は、東日本大震災の影響により旅行のキャンセルが相次いだが、ツアー価格を大幅に引き下げるなどして年収入高は約32億6600万円を計上したものの、約2億2800万円の最終赤字となり、財務面でも債務超過に転落していた。2012年1月にはHS観光バス東京営業所で整備管理者に運輸局長の行う研修を受けさせていないとして、行政処分を受けるなど管理体制にも不備を抱えていた。
こうしたなか、今年4月に当社が主催したバスツアーが関越自動車道上り線で運転手の居眠りにより乗客7名が死亡する事故を起こし、以降は高速バスの運行を休止していた。事故を起こしたバスの運行は下請業者が行っていたが、当社自身にも多数の法令違反があったことから業務停止処分を受ける方向となり、先行き見通し難から、今回の措置となった。
負債は2012年1月期末時点で約6億7200万円。
なお、同時に関係会社の(株)HSサポート(東京都新宿区)、(株)ハーヴェストサポート(名古屋市中村区)、(株)HS観光バス(富山県南砺市)、(株)HS観光バス西日本(大阪府豊中市)も事業停止し、自己破産申請の準備に入っている。
最終更新:7月2日(月)18時28分
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