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FBIの監視カメラに捉えられた中国のスパイ

 ハッキングやスパイ工作による中国の欧米に対する軍事・産業に関する諜報活動が盛んに行われているというニュースは度々報じられて来たが、2007年に中国のスパイが米国国防総省の職員に現金を渡し軍事機密情報を聞き出す現場を撮影したFBIの隠しカメラ映像が米国のCBSニュースの報道番組『60 Minutes』で公開されたので、その番組に関して関連情報と共に紹介する。

 番組で公開された隠しカメラ映像は、国防総省元職員のグレッグ・バーガーソン服役囚と中国のスパイである郭台生服役囚との接触を発見したFBIが、二人が密会で使用したレンタカーに隠しカメラ2台を装着して撮影したもので、そこでは郭がバーガーソンに約2000ドルと見られる札束を渡す様子や、郭から接待責めに会ったバーガーソンが機密情報を渡す事に非常に強い抵抗感を示しながらも、証拠を残さないよう情報を手書きで書き写すように郭に指示をしている様子が撮影されている。

 機密漏洩で逮捕されたバーガーソン服役囚 (53) は国防総省の元防衛政策研究員で機密書類の処分を担当していた。
 スパイ罪で逮捕された郭台生服役囚 (60) は台湾生まれの帰化米国人でルイジアナ州に20年在住、中国への事業進出を計画し、中国当局の認可を申し込んだ際にスパイ活動への協力を打診されたという。

 番組内でビデオを見ながら解説をしているのは、当時この事件を担当した元FBI捜査官のジョン・スラッタリー氏である。
 また番組内では米国対敵情報活動部の元情報員のミシェル・ヴァン・クリーブ氏、そして中国国家安全部の元諜報員で現在米国に亡命している李鳳智氏のインタビューも紹介している。

 このビデオの存在は2008年2月の両名の逮捕時に明らかにされていたが、現物が公開されるのは今回が初めてである。

米国の機密の窃盗
CBSニュース『60 MINUTES』 放送:2010年2月28日 19:00

 国防局の職員が中国のスパイに国家機密情報を売っている様子を撮影したFBIのビデオを『60 Minutes』が入手した。それはスパイ活動の秘密の世界を垣間みる珍しい機会である。スコット・ペリー記者のレポートで伝える。

Part 1 (7'25")

Part 2 (5'46")

訳・字幕:Red Fox

CBS News. "Caught on Tape: Selling America's Secrets". February 28, 2010.
CBS News. "Stealing America's Secrets". February 28, 2010 4:57 PM.

中国のスパイに機密を売る国防総省職員を隠しカメラが捉えた
CBSニュース 2010年2月25日
中国のスパイは今や米国に最大の情報脅威となっている

 『60 Minutes』は、国防総省職員が金銭のために中国のスパイに機密を売っている様子が映ったFBIが撮影したビデオテープを入手した。これまで公にされていなかったこのビデオは、スパイの秘密世界の一端を覗かせ、中国のスパイ活動は今や米国にとって最大のスパイ脅威となっている事の実例を示している。

 中国は今や最大のスパイ脅威になっていると見られる。米国の対敵情報活動の元高官であり、2003-06年に外国人スパイ狩りをコーディネートしたミシェル・ヴァン・クリーブ氏は「米国が中国に注視するレベルに比べて、中国が米国に対抗するために注ぐ努力のレベルの高さという点に関して中国は最大の悩みの種となっている」と述べた。

 かつて中国の国家安全部のためにスパイをリクルートし、現在は米国の保護施設にいる李鳳智氏は、中国がスパイ活動の最も標的にしているのは「疑う余地なく」米国であると述べた。

 クリーブ氏によれば、中国が米国に貯蔵されている全ての核兵器の設計図を長年かけて入手し、最近に至っては大量に入手していると言う。彼女はペリー記者に「事実上、米国が管理するテクノロジーリストにある全てが、何らかの形で中国のターゲットになっている」と述べた。クリーブ氏は「センサーと目視、生物と化学プロセス・・・これら元々軍事利用に指定されている全てに関する情報技術であるが、米国は中国などにとってのキャンディー屋のような物だと思う」と述べた。

 『60 Minutes』が入手したビデオテープでは、国防総省で機密書類の処分担当の非軍属職員のグレッグ・バーガーソンが、中国人スパイの郭台生から約2000ドルを受け取る様子が映されている。それからバーガーソンがどのように郭に機密書類を見せるかを相談している。この書類は米国が同盟国の台湾に販売する兵器の種類や、台湾に用いられる機密指令と通信システムの計画が含まれていた。

 ビデオでバーガーソンははっきりと関与を示している。「これをあなたが入手する事は非常に気が進まない。なぜならこれらは全て機密情報だからだ。でもあなたには見せてあげよう」と郭に話している。「欲しい情報は全て書き写してもいい・・・これは誰にも知られてはならない・・・私は解雇される」とバーガーソンは話している。「いや解雇されるだけでなく刑務所送りになる」

 それがバーガーソン服役囚が現在いる所である。国防情報漏洩で連邦刑務所に5年近く投獄されている。帰化米国人の郭もまたスパイ活動で15年の刑に服している。ビデオテープやその他の証拠が示され、これらの両名が容疑を認めた。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。転載・引用に関して内容の編集や追加・改変を行なう場合は変更箇所の文責の明示を条件とする。

CBS News. "RARE VIDEO SHOWS PENTAGON EMPLOYEE SELLING SECRETS TO A CHINESE SPY -- "60
MINUTES"". February 25, 2010.

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中国のスパイで郭の愛人であった康玉新元服役囚。19歳の時に出会った郭への愛情からスパイ活動に協力したとされる。2009年6月に釈放。(nola.com)
 クリーブ元情報員が番組中で「米国の全ての核兵器情報を中国が掌握している」や「分らないものは分らない」等と発言しているが、番組は当然中国側も目にする訳であり、恐らくFBIや国家情報機関のOB/OG達も中国との騙し合いで発言しているとは思われる。

 動画中でスラッタリー元捜査官が、更なる証拠を集めるためにわざとスパイを泳がせるなどこの手の事件の捜査は非常に困難を極めるものであると言及していたように、バーガーソン事件の発覚は、2005年に米海軍機密技術漏洩のスパイ罪で逮捕された麦大志事件の捜査上で浮上したもので、2007年の7月の隠しカメラ撮影と2008年2月の逮捕まで実に数年掛かりでの逮捕となっている。

 両名と同時に外国政府工作員の容疑で逮捕されたのは、郭に協力した中国人スパイの康玉新元服役囚 (35) である。康が1年半、バーガーソンが5年9ヶ月、そして郭が15年8ヶ月の禁固刑となっている。

郭台生は台湾軍に出入りしていた軍事業者

2008年2月11日、ルイジアナ州ニューオーリンズの郭台生服役囚の自宅の家宅捜索。(Daily News)
 中国のスパイ獲得の手法は、米国企業や軍、国家機関などに勤務し機密情報にアクセス出来る中国系米国人、特に退職直前の人物に対し、中国旅行に招待したり中国国内の身内をネタに脅迫をするなど飴と鞭でスパイとして獲得するという事は以前から欧米メディア等で報じられていたが、この郭台生の場合は中国への事業進出を画策した人物がリクルートされたという事である。

 郭台生はルイジアナで家具販売など複数の事業を経営していたとあるが、郭は台湾の武器購入に関する会社を立ち上げ、武器商人として台湾軍にも出入りしていた。
 つまりバーガーソンが「情報は台湾に渡っている」という郭の言葉を信じたのはそれなりの理由があった訳である。
 また2008年2月の郭の逮捕を受けて台湾軍は台湾の軍事機密が盗み出されている疑いがあるとして特別チームを設立している。

 郭台生はバーガーソンから受け取った台湾へ販売される兵器リストと台湾の防衛通信システムの機密情報を北京の康余新のマンションで中国政府関係者に機密情報を引き渡したとの事であるが、郭はまた暗号電子メールで中国政府関係者に情報を送っていたという。そこで送られたのが米台の軍事共同作戦の中枢を為す「共同行動管理委員会」のマニュアルであったという。

 また2009年3月に中国共産党からの離脱を宣言した元諜報員の李鳳智氏によれば、外国の政治家など要人に中国に有利な発言をさせたり中国の手先とするために、接待責めにしたりスキャンダルなど弱みを握って脅迫したりなど飴と鞭を使うのは常套手段であるという。

 そして今回公開された動画を見る限りでは、バーガーソンは郭に義理を感じ信用している言わば優柔不断なお人好しであるのに対し、郭は会話を録音するなど新たな脅迫の準備には余念がないなど冷徹さは徹底しており、こういった要素からも5年9ヶ月と15年8ヶ月という刑期の違いとなったのかもしれない。

 郭を知る人によれば、郭は中国や台湾のいずれにも何の愛着を見せた事はなくひたすら金儲けにしか関心がなかったという。

 一方バーガーソンは、スパイで得た金はギャンブルで儲けたと妻に説明していたが、妻の浪費癖を賄うために更なるスパイ活動に応じていたという話もある。


一連の中国のスパイ事件

 また郭は中国当局に対して、最近は米国当局が中国とロシアのスパイに対して警戒をしていると少なくとも2回警告をしているが、米国でのスパイ摘発は近年は増加傾向にあり、2005年の麦大志一家の摘発時に逮捕された米国籍中国人は30名近くに及び、2008年の1年間だけでもスパイ事件は10数件が摘発されている。

 この事件に関しては翌日の3月1日にワシントン・タイムズのビル・ガーツ記者が更なる追加取材や情報を加えた記事を発表している。

 ここで言及されているのは、郭が入手した台湾への販売兵器リストは今後5年間にわたるものであった事、それは上役スパイの康玉新を経由し中国人民解放軍参謀2部 (2PAL) に渡っていたという事、そして中国が掌握している情報はイージス艦戦闘テクノロジー、攻撃型潜水艦、爆撃機やその他航空機、戦略ミサイルやロケット技術だという点である。

 またワシントン・タイムズでは、郭が米軍太平洋軍司令部の空軍中佐をスパイにリクルートしていた事、バーガーソンは別な中国の諜報員とも接触があった事、そして情報収集を行っていたのが中山大学アジア太平洋研究センターや中国航天工業部、その背後にあるのが人民解放軍参謀2部である事が言及されている。


中国のスパイが監視カメラに引っかかる
米国人が逮捕される
ビル・ガーツ ワシントン・タイムズ 2010年3月1日

 中国のスパイを行う米国人グループを通じて国防総省の機密を得ようとした中国のスパイ活動の詳細が、FBIの監視カメラによって明らかになった。
 この極秘ビデオは、広州の軍諜報部の一味による中国のスパイ活動に対する多層的捜査の有力情報であった。

 CBSの『60 Minutes』で公表されたこのビデオは、2007年に国防総省の元分析官のグレッグ・W・バーガーソンへの調査の一環として、レンタカーに設置された2台の隠しカメラで撮影されたものである。バーガーソン服役囚に、台湾系華僑で中国のスパイである郭台生服役囚が現金2000ドルの札束を渡している様子がビデオに映されている。

「これをあなたに渡した事は絶対に誰にも言えない。なぜならこれらは全て機密情報だからだ。」
バーガーソンは所有する機密レポートに関して郭に対して話している。
「でもあなたには見せてあげよう」

 刑務所で5年の刑の服役中であるバーガーソンは、「欲しい全ての記録を手に入れてもいい・・・しかし万が一間違った手に渡ったなら・・・そんな事は起きないとは分っているが、もし起きたなら・・・私は確実に解雇され、刑務所送りになる。なぜなら規則違反になるからだ。」

 バーガーソン事件の捜査を監督した元FBI捜査官のジョン・スラッタリー氏はCBSの番組で「このやり取りは、事前に情報が渡されこれはその報酬か、又はこれから来る情報ルートの確保であると見られる」と述べている。

 裁判資料によれば、ルイジアナ州の事業者の郭がバーガーソンから情報を得て、それが台湾の博勝通訊国防システムの詳細とともに別な中国人スパイの康玉新 (Kang Yuxin、音読)に提供された。それに加え、バーガーソンは今後5年間に台湾に売却予定の米国兵器の機密リストを郭に渡していた。

 また裁判資料によれば、バーガーソンは郭を通して台湾に機密情報を提供していたと思っていたが、実際はその情報は中国人民解放軍総参謀2部 (2PLA) として知られる中国軍諜報部に渡っていた。

 バーガーソンは2008年7月に5年の刑を、郭は2008年5月に15年の刑を言い渡された。


 バーガーソン事件は、2005年に逮捕され、後に外国業者登録をせず中国に機密技術を送った罪状で有罪判決を受けた米国の国防関連業者の麦大志 (Chi Mak) のスパイ事件への捜査上で浮上した。麦は24年の懲役となっている。麦の弟の麦大泓 (Tai Mak) は密使の役割で懲役10年、そして麦一族のその他3名が有罪となっている。

 これらの事件は、対米国で過去10年間に成功を修めている中国軍事スパイの秘密の世界の一端を珍しく垣間見せるものとなった。

 米国諜報機関関係者によれば、中国のスパイに漏れた情報は米国海軍の軍艦の中心であるイージス鑑戦闘技術が含まれており、これは既に少なくとも2隻の中国軍艦にコピーされているという。

 中国軍事スパイによるその他の損失は、米国攻撃型潜水艦、米国爆撃機、その他航空機や戦略ミサイルやロケット技術に関する機密情報だという。

 郭とバーガーソンのケースに加え第三のスパイ事件は、スペースシャトルや軍民の航空機やヘリコプターの機密データを中国に流し有罪となった旧ロックウェル・インターナショナルとボーイングのエンジニアで鍾東蕃 (Dongfan "Greg" Chung) である。鍾は2月に懲役15年の実刑判決を受けている。

 スパイの輪に関わった4人目の人物は、米軍太平洋軍司令部勤務の元空軍中佐のジェームズ・W・フォンドレン服役囚である。フォンドレンは1月22日に米中軍事関係の機密情報を金銭の見返りに郭に提供した罪で懲役3年の実刑判決を受けている。

 検察側は郭がフォンドレンとバーガーソン両服役囚をリクルートしたと疑っている。

 このスパイ事件はまた、米国の対敵情報活動関係者が2PLAの指示で活動していた可能性が高いと主張しているこれら3人の中国人の身元を明らかにした。

 麦大志の事件に関する主な接触先は、広州の中国中山大学アジア太平洋研究センターの軍事研究院の朴培良氏 (Pu Pei-liang) である。米国側は朴氏が中国軍と関わりがあるとしている。

 その他は、1999年の中国訪問時にフォンドレンと郭に中国で接触している軍事諜報員と見られるリン・ホン氏である。リン氏はまたバーガーソンとも関わりがあった。

 もう一人の関係者の身元は、郭、フォンドレン、バーガーソンと関わりのある中国の軍事諜報員と見られるグァン・リ (Guang Li) 氏である。

 中国航天工業部の軍事諜報員と見られる顧維豪氏 (Gu Weihao) は、鍾東蕃服役囚の中国での連絡先であった。

 元対敵情報員のミシェル・ヴァン・クリーブ氏は、中国に関する最近のスパイ事件が中国政府のスパイ活動が普及している事を示しているとし、「私達が見ているこれら技術窃盗とスパイ活動は氷山の一角に過ぎない」とメールで述べた。「更に厄介なのは私達に見えない部分である」

 クリーブ氏は中国の経済と軍事面に関して「彼等の情報収集活動もまた成長している」と述べた。

 米国国家情報長官のデニス・C・ブレア氏は2月3日の議会証言で「過去1年間で、中国の情報機関は米国内外で広がり続けている」と述べた。

 ドキュメンタリーでは、中国の主なスパイターゲットは米国であるとの中国国家安全部の元職員の李鳳智氏の発言を引用している。

 中国政府は、中国関連のスパイ活動への罪状を北京政府に対する「根拠のない」言い掛かりであると繰り返し否定をしている。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。転載・引用に関して内容の編集や追加・改変を行なう場合は変更箇所の文責の明示を条件とする。

Washington Times (Bill Gertz). "Chinese spy buy caught on surveillance video". March 1, 2010.
 2009年5月にスパイ容疑で逮捕起訴されたジェームズ・フォンドレン服役囚は米国太平洋司令部駐ワシントン支部の元主任で、1998年以来郭に金銭の見返りに機密情報を提供し続けた人物。フォンドレンも同様に台湾出身の郭に渡した情報は台湾に渡っていると認識していたという。
 フォンドレンも同様に機密情報一件あたり数百ドルの報酬を受け、他にもラスベガスで豪遊するなどの接待を受けていた。

 ボーイングの元エンジニアの鍾東蕃服役囚 (74) は中国生まれで台湾育ちの米国帰化市民。1979年以来30年にわたりスパイ活動を行い、スペースシャトル、C-17軍用輸送機、デルタIVロケットなどのボーイングの機密技術情報を中国に横流しし2009年7月に逮捕起訴され郭と同様に15年8ヶ月の禁固刑となっている。

 そのうち米国社会に最もショックを与えたのが、2005年10月にスパイ容疑で逮捕され実刑24年6ヶ月となった麦大志服役囚 (69) である。
 麦は1970年代に香港で中国のスパイ教育を受け、1985年に米国国籍取得、そしてロスの米海軍関連企業で働き、1996年に身元審査をパスして米海軍の機密情報にアクセス出来るようになるまで20年にわたって善良な市民を装っていた。
 麦は妻のレベッカ、弟の麦大泓、弟の妻の李伏香、甥の麦友の5人で25万ページ以上に及ぶ米海軍の機密をコピーし、広州の中山大学研究所を経由して中国当局に送っていたという一族グルでのスパイ活動である。
 逮捕時に押収された暗号化したCD-ROMには米国海軍の潜水艦エンジンシステムの資料が含まれていた。

中国の産業・軍事スパイは30年計画

p  米国の「米中経済安保調査委員会」によれば、中国は1986年に「863計画」というバイオ、宇宙、レーザー、情報、オートメーションなどのハイテク技術の総合開発計画を立て、外国の技術を産業スパイ等の手段で取得する方針が決められたというが、麦大志・鍾東蕃両服役囚の例などを見ると中国は1970年代から産業・軍事スパイの養成を行っており、米国で近年特に活動が盛んになっている中国のスパイは実際30年計画なのである。

 冷戦が終結し米中の関係が改善され経済関係が緊密になって来た近年になっても潜伏していたスパイが時限爆弾のように活動を始めている訳であり、米国の報道でも「世界の工場」の中国にとって最大の得意先である米国に対して、一方では関係悪化をもたらす行為を中国が行っている事が理解に苦しむといった論調も見られる。


中国に軍事機密を売った国防総省職員の現行犯
スーザン・トンプソン
アメリカ・ニュース・オンライン 2010年2月28日
 FBIは、国防総省の機密書類処分担当の民間職員のグレッグ・バーガーソンが、郭台生という名の中華人民共和国のスパイから現金賄賂を受け取るビデオ録画を公表した。この賄賂は米国が台湾に提供している武器テクノロジーの情報を得るために支払われたものである。現在バーガーソンは国防情報漏洩で連邦刑務所に5年間、郭はスパイ活動で15年間の服役中である。

目を開かせるもの
 中国のサイバースパイと共にこの情報は一つの事を明確にしている:中国が我々の情報を求めているという事である。2国間の密な経済関係のためアメリカに対して良く振る舞いながら、彼等は冷戦終結以来見られなかったやり方で我が国の政府の機密を活発に狙っているのである。この状況が問題である事は余りにも明らかである。米国は7500億ドルの範囲で中国政府への負債があり、米国は中国によって効果的に経済的に多大にコントロールされているのである。

中国も危機に直面している
 中国も同じように危機に直面している。世界のその他が本格的な景気後退になる中、中国は工場生産品を全て売る事が出来なくなっており、それは世界が景気回復するまで製品を倉庫で眠らせるための助成金を出す事を必要とする。一方なしにもう一方は何も出来ないため、中国が米国負債の大きな割合を持ち、米国内の小売店で売られるものの大半が「Made in China」のスタンプがあるのである。米国と取引する事が中国の最も利益となると考えるのが自然である筈であるが、彼等は世界が現在求めている優先順位とはとは全く正反対の行動を行っているのであり、これは2つの主要国の間に緊張をもたらすだけである。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。転載・引用に関して内容の編集や追加・改変を行なう場合は変更箇所の文責の明示を条件とする。

Americas News Online (Susan Thompson). "Pentagon Worker Greg Bergerson Sells Gov Secrets To Chinese Spy". February 28, 2010, 6:01 pm.

 確かに経済発展を支えるには米国のような消費国が必要な現代の中国の状況を考えれば、米国を敵に廻す事は得策ではない筈であるが、スパイ情報によりテクノロジー・軍事大国を目指すという中国の野望は少なくとも文革時代の1970年代以来のものなのである。

 中国の元諜報員の李鳳智氏は、中国の最大のターゲットが米国であるのは疑う余地はないとしているが、中国の産業スパイは英国に対しても盛んに行われており、バイオ、宇宙、レーザー、情報、オートメーションなどのハイテク技術であれば当然ながら日本もターゲットの1つに入っていると考えていいと思う。


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参考サイト:
・CBS公布影? “中国間諜”行動曝光 (中央社/多維新聞 2010.3.1)
・為北京做間諜 美判鍾東蕃15年8個月徒刑 (中央広播電台 2010.2.9)
・Spy for China with N.O. ties is back in federal court (The Times-Picayune 2009.9.22)
・国外政治家を手込めにする中国当局の手口=元諜報員が公開 (大紀元 2009.9.16)
・First Economic Espionage Trial Begins In US (CBS News 2009.6.5)
・米国防省中佐逮捕、中国当局に極秘情報提供の疑い (大紀元 2009.5.15)
・中国、米太平洋軍スパイ工作 (海洋戦略研究 2009.5.14)
・米国の政府高官や企業幹部、中国でデータ窃取の標的に? (Wired Vision 2008.6.3)
・米国在住中国人女性、スパイ容疑認める (大紀元 2008.5.30)
・〈外交パワー:上〉米の力、巧みに利用 (asahi.com 2008.4.23)
・20年潜伏していた中国のスパイ (朝鮮日報 2008.4.5) [転載]
・米国FBIが中国のスパイ四人を逮捕 (宮崎正弘の国際ニュース・早読み 2008.2.15)
・MND seeks answers over spy scandal (Taipei Times 2008.2.15)
・中國間諜案 軍方:若損台灣利益美應補償 (中央社2008.2.14)
・密碼未洩國軍研判博勝技術面無損 (中國時報 2008.2.15) [転載]
・米国防総省職員と中国人3人、スパイ容疑で逮捕 (CNN.co.jp 2008.2.12) [転載]
・Pentagon analyst, Chinese immigrant busted for Chinese espionage plot (NYDailyNews.com 2008.2.12)
・Defense Official Is Charged in Chinese Espionage Case (Washington Post 2008.2.12)
・US makes arrests amid claims that Beijing spied on weapons (FT.com 2008.2.12)
・Pentagon official held over spying for China (FT.com 2008.2.12)
・Four arrested in US-China spy cases (FT.com 2008.2.11)
・中国のスパイ活動、最も攻撃的 (msn産経ニュース 2008.2.3)
・米中スパイ事件=麦大智罪状確定、懲役35年 (大紀元 2007.7.27)
・カテゴリー「Security」 (支那大陸 本日モ反省ノ色無シ)


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関連エントリー:
・中国の「太平洋分割管理」案、海外での報道は? (2008.3.14)
・中国に通信傍受筒抜け 米国にダミー会社 (2008.1.7)
・シェルとロールスロイスに中国のスパイ攻撃 (2007.12.21)
・英情報局保安部は中国のサイバースペーススパイの脅威を警告 (2007.12.19)
・中国、太平洋の東西分割提案か (2007.8.21)
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コメント
アメリカでこれなら日本はもう終わってるな

2010/03/28(日) 01:09:37 | URL | no name #- [ 編集]
日本はスパイ防止法さえ無いからな。
各国のスパイは手っ取り早く実績を
挙げるために日本での活動を希望するらしいが・・・本当終わってるな。

2010/03/28(日) 21:31:53 | URL | no name #- [ 編集]
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