注射器2本、下水道で発見=元臨時工供述の裏づけ急ぐ−ギョーザ事件で中国当局
3月27日5時27分配信 時事通信
【北京時事】千葉、兵庫の両県で10人の被害者を出した2008年の中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国の警察当局に拘束されたギョーザ製造元、天洋食品(河北省石家荘市)の元臨時工、呂月庭容疑者(36)が毒の混入に使用したとされる注射器2本が下水道から見つかっていたことが27日、分かった。同当局は呂容疑者を本格的に追及するとともに、供述の裏付け捜査を急いでいる。
日本と中国の間には犯罪人引き渡し条約がないため、日本側は捜査で集めた資料を中国側に提供し、中国の法律で裁く「代理処罰」を要請するかどうかを検討する。
日本側の捜査当局によると、中国の警察当局に押収された注射器には、日本で中毒事件を起こした製品から検出された有機リン酸系殺虫剤メタミドホスと同じとみられる物質が付着していた。
一方、冷凍ギョーザの製造から出荷に至るどの段階で、どのように注射器を使って毒物を混入したのかは明らかになっておらず、警察当局は今後、捜査の焦点となっていた混入の時期や方法など事件の全容解明を目指す。
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